第2日(妙香山観光)


平壌に到着して初めての夜が明けました。早速、部屋の窓の外を見てみると、平壌の街が見渡せます。昨夜は暗くて良く分からなかったのですが、確かに、平壌の街は、高層マンションが多くて、モダンな感じです。

それから、服を着替えて一階の食堂に向かいました。朝食は、それなりの量があり、また、味もまあまあだったので、「この食事なら問題ないな」と、つい安心してしまいました。この時は、まさか、1週間の間に、ツアー参加者の半数以上が、お腹の調子を悪くするであろうことなど、全く予期していませんでした。

(写真4:高麗ホテルの客室の窓から見た平壌のマンション群)

(写真5:通勤する労働者たちを激励する女子大生の吹奏楽団)
朝食後、外から大きな音楽が流れてくるので、ホテルの外に出てみました。すると、二十歳くらいの女性たちの吹奏楽団が演奏をしているのです。一体何事かとガイドに尋ねると、ガイドは、「彼女たちは、近くの大学の学生です。出勤する労働者を激励するために、ああやって演奏しているんですよ。毎日やっています。」と答えたのでした。このような演奏で、本当に労働者の勤労意欲を奮い立たせることができるのでしょうか?

その後、この日の観光の目的地である妙香山に向かいました。平壌から妙香山までは、バスで約2時間弱。北朝鮮には、首都の平壌でさえも、ほとんど車が走っていないので、我々を載せたバスは、時速100km以上のスピードで道路を疾走しました。平壌の市街から外に出ると、そこには農村が広がっていました。丁度、畑を耕す時期だったのですが、驚くべきことに、牛を使って畑を耕している風景を多く見かけました。日本とは異なり、農機は普及していないようです。また、燃料不足のため、木を切り倒して使っているためか、はげ山が多いのにも驚かされました。

北朝鮮の餓死者のことを思い出し、そのことについて、ふと、ガイドに尋ねると、「共和国には、餓死している人なんていません。それは、アメリカが流しているデマです」と、予想通りの回答をしてきました。ついでに、テポドン発射のことについて尋ねると、「あれは人工衛星です。現在、科学技術のために使われています」と答えてくるし、新潟沖の不審船のことについて尋ねると、「あれは日本の自作自演です。自衛隊の陰謀です」と答えてきたので、それ以上の質問をするのは止めました。

外の景色を見ていると、いつのまにか妙香山に到着したようです。バスは、1泊する予定の香山ホテルの前で停まりました。香山ホテルは、最上階に回転展望レストランを供えた立派なホテルでした。
(写真6:香山ホテルの全景)

(写真7:国際親善展覧館の外観)
しばらく休憩を取った後、我々は、国際親善展覧館に向かいました。この国際親善展覧館には、金日成主席に世界140ヶ国から贈られた2万8000点の贈り物の一部が国ごとに展示されているとのこと。

ただ、その内部は写真撮影禁止だったため、残念ながら、数々の贈り物を写真に収めることはできませんでした。その後、金正日総書記への贈り物が展示されている隣りの建物を見学しました。
金日成主席と金正日総書記の偉大さに感動した我々は、普賢寺という、高麗時代に建てられたお寺に向かいました。

ガイドが、「朝鮮では、信教の自由が認められているので、お寺が沢山あります。仏教徒が一番多いです」と言うので、私は、「仏教徒は何人ですか?」と尋ねました。すると、「3万人です」との答え。「え、この国の人口って、2000万人ですよね。残りの1997万人の人は、何を信じているのですか?」と突っ込むと、ガイドは、「えー。チュチェ(主体)思想です」と答えてきたのです。どうも、北朝鮮では、チュチェ思想は、宗教と同列のものと考えられているようです。

(写真8:普賢寺の内部)

(写真9:妙香山の岩肌に彫られた「鋼鉄の将軍・金正日」の文字)
普賢寺を後にし、我々は、妙香山の散策に出掛けました。妙香山の山道を登ると、山の岩肌に、ハングル文字で、ものすごく大きな文字が彫られていました。ガイドに尋ねたところ、「鋼鉄の将軍・金正日」と掘られているとのことです。更に山道を先に進むと、「妙香山は天下一級の名山・金日成」というハングル文字が、大きく彫られていました。

登山は途中までしかしなかったのですが、多分、先に進むと、まだまだ色々な文字が彫られているのでしょう。

ホテルに戻って夕食を取った後は、最上階にある回転展望レストランに行きました。そこには小奇麗なカウンターがあり、ウェイトレスが2名ほど働いていました。日本の店と同じような雰囲気でした。ガイドたちも来ていたので、和気あいあいと話をしたのですが、人や国の呼び方については、色々と注意されてしまいました。

例えば、「金日成さん」、「金正日さん」とかいう呼び方は絶対に駄目で、「金日成主席」、「金正日総書記」でなければならず、また、「北朝鮮」、「韓国」という呼び方も駄目で、「共和国」、「南朝鮮」と呼ばなければならないとのことでした。


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